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菅 原 道 真 公(845〜903)
東風吹かば 匂い起こせよ梅の花 主なしとて春を忘るな
道真公が天神様として広く祀られ 親しまれてゆくのは 美しい言魂ゆえであろうか |
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小 野 道 風 公(894〜966)
蛙でももっている いのちの意志にめざめて 筆技を磨いた道風公はそよぐやなぎの美しさに悟りを得て 書聖の道を拓いたのではなかろうか
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紫 式 部 命(978〜1016)
もののあわれを縦糸に 宮びとのいとなみを綾とする詩情に輝く源氏物語は 敬愛する人の賞賛と宮びとの興奮によって 炎え立つ紫式部の 知 情 意から生み出された奇蹟であろうか |
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清 少 納 言 命
自然の美しさ 人の思いやりの美しさ いのちのいとほしさを 宮びとのいとなみの内から探し求めた清少納言は清らかに言葉を綴ってゆく 愛らしさを生きたいのちが咲かせた 枕草子は
永遠なる清華であろう |
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和 泉 式 部 命(10世紀)
豊かな情感と、優れた才能に恵まれた和泉式部は 自由奔放 情熱の炎に身を投じてゆく
あでやかな恋愛の彩りは 情熱の和歌となり ふれる人を恋の夢路にいざなってくれる |
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運 慶 命(不詳〜1223)
質実剛健な鎌倉武士の精神を受けて 赫々と炎え立つ運慶の氣迫が 金剛力士の像に現われてくる 雄渾な精神は 時を超超してふれる人に 感動を与えずにはおかない |
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世 阿 弥 命(1363〜1443)
幽玄の舞を希望する将軍義満の厳しい求めに 世阿弥は妙技の境地を探求してゆく
表現の激情を無に化して舞う能の世界への到達は遊びの文化を高い精神の道へ導いてゆく |
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雪 舟 翁(1420〜1506)
柱にしばられても 足でねずみを写生した逸話の示すが如く 命の写生を天命とした画僧雪舟は かぎりなく美しく たくましく活躍動するいのちの本質を見事に写生し、水墨画道を拓いてゆく |
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茶 聖 利 休 翁(1522〜1591)
まことの心が通じ合える 出会いの演出を茶の湯に求めた利休は自然心で語り合える礼儀作法として わび茶を完成し 安土桃山文化の精神性を深めてゆく |
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俳 聖 芭 蕉 翁(1644〜1694)
月日は百代の過客にして行きかふ年も又旅人なり
時を愛し 人を愛し 自然を愛する風流こそ 自己の道とする芭蕉は旅に詞華を求め 蕉風俳諧の道を拓いてゆく |