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祇 園 女 御 命
花も実もある庶民の娘が、その輝きで至上の寵愛を寄せて女御に登り わが子清盛に天下の夢を託してゆく
実力本位の武家政権への道を 最初に示した祇園女御の光はその名と共に歴史をあでやかに彩っている |
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建 礼 門 院 命(1155〜1213)
華美と尊貴の頂きにあった うら若き天皇の母が急転して地獄を見 尼となって一族を弔ってゆく
無常なればこそ美しい華に似た建礼門院の光は、祗園精舎の鐘と共に 今も無常を響かせてくる |
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北 条 政 子 命(1157〜1225)
赤い糸の仕業であろうか 親の監視を逃れ 激しい風雨の山野を頼朝のもとに走った政子は 炎ゆる想いをあわせて 鎌倉幕府 北条執権の大いなる歴史をあらわしてゆく |
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巴 御 前 命
香気を放つ英雄義仲に捧げ盡くした巴の愛は 信仰を言うべきかもしれない
虹の如き天下の夢を 英雄と駒を並べて追い掛ける無上の快感を味わった人は 巴御前の他あるまい |
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静 御 前 命
吉野山 峰の白雪ふみ分けて 入りにし人のあとぞこひしき
頼朝と政子に向かって時勢が捨てた英雄義経への恋幕を命を賭けて歌舞した静御前は歴史の舞台に凛と咲いた戦国の妙華である |
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お 市 の 方 命(1548〜1583)
三国一と歌われた美しいお市の血は 興亡を賭して戦った織田 浅井 豊臣 徳川を繋ぎ 強たかに流れてゆく
政略的結婚も 五人の子を育てる楽園と化し 落城の炎も恋の炎と化してしまう
戦国の世を輝かしたお市の愛は眩い |
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寧 々 命(1548〜1624)
寧々と呼ばれた藤吉郎は太閤に出世し 育てられた小姓達は大名に認められた家康は将軍に出世してゆく
触れたいのちを 大いなる創造に炎え立たせた 寧々の美しい輝きは 憧れの星となり 今も強く慕われている |
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細 川 ガ ラ シ ャ 命(1563〜1600)
才知と美貌に恵まれて近親の愛を一身に浴びていたガラシャに 一夜にして信じ難い悲劇が迫ってくる
熱烈な信仰 凄烈な最後 大きな落差が輝かした 強く美しい光芒は 今も清らかに民族の中を流れている |
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淀 君 命(1567〜1615)
類なき美貌が 高い気品 強い気性を備えたとき 女性といえども君臨か 破滅かを選ぶより道がないのであろう
栄華の大阪城を太平を拓く花火と化した淀君の激烈な精神は 散華の美として今も光彩を放っている |
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千 姫 命(1597〜1666)
太平の願望によって天下の名城で結ばれた いとしい千姫と秀頼その眩い輝きが 哀れ戦火に投じられてゆく
炎となった二人の愛は戦雲を溶かし太平の瑞光となってよみがえってくる |